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【名作絵本】『てぶくろ』のあらすじと魅力|対象年齢・読み聞かせ・発表会で人気の理由も紹介

目次

絵本『てぶくろ』とは?名作と呼ばれる理由

ウクライナ民話をもとにした世界的ロングセラー

『てぶくろ』(作:エウゲーニー・M・ラチョフ/訳:うちだりさこ/福音館書店)は、ウクライナの民話をもとに描かれた世界的な名作絵本です。
雪の森を舞台に、落とされた手ぶくろの中に動物たちが次々と入っていくという、シンプルで心あたたまる物語。
1950年代に旧ソ連で誕生した絵本が日本に紹介されてから半世紀以上経った今でも、子どもから大人まで多くの読者に愛され続けています。

日本では特に冬の季節に読み聞かせる定番絵本として人気が高く、保育園・幼稚園では発表会の題材としても毎年取り上げられるほど。
シンプルながら、動物たちのやりとりの中に「やさしさ」「思いやり」「共に生きるあたたかさ」がぎゅっと詰まった一冊です。

動物たちが集まる“あたたかい物語”

物語の魅力は、なんといっても個性豊かな動物たち。
小さなねずみから、かえる、うさぎ、きつね、いのしし、くまなど、さまざまな動物が「ぼくも入れて!」と次々に登場します。
寒さをしのぐために、みんなが一つの“てぶくろ”に集まるというユーモラスな展開は、子どもたちの興味を自然と引きつけます。

狭い空間の中でも、動物たちは力を合わせて暖かく過ごす。
そこには、他者を受け入れるやさしさや、助け合う心が描かれており、読んだ後にふんわりと心が温かくなるのが『てぶくろ』の魅力です。

エウゲーニー・M・ラチョフのやさしいタッチと色づかい

ラチョフの描く動物たちは、リアルさと温かみのバランスが絶妙。
細やかな毛並みや雪の質感、ほっこりとした表情からは、寒い冬の中にもぬくもりを感じます。
オレンジや茶色を基調とした色づかいは、冷たい雪の世界にあたたかさを添え、ページをめくるたびに“心地よい世界”へと誘ってくれます。

『てぶくろ』のあらすじ紹介

雪の森に落ちた「てぶくろ」から始まるお話

雪の森の中、おじいさんが散歩をしていると、片方の手ぶくろを落としてしまいます。
その落としたてぶくろを最初に見つけたのは、小さなねずみ。
「ここをぼくのおうちにしよう」と、てぶくろの中に入ってぬくぬく。

そこへ、次々と動物たちがやってきて、「ぼくも入れて!」とお願いをします。
そして、てぶくろの中はだんだんと満員に——。
小さなてぶくろの中に、どうやってみんな入っているのか?という想像が子どもたちの好奇心をくすぐります。

「ぼくも入れて!」動物たちのやりとりが楽しい

物語の展開は、同じパターンの繰り返し。
登場する動物が変わるたびに、声のトーンや表情を変えて読むと、ぐっと臨場感が増します。
特に「ぼくも入れて!」「どうぞ!」というセリフのやりとりは、子どもたちが一緒に声を出して楽しめるポイント。

読み聞かせ中に「次はだれがくるかな?」と問いかけると、想像力を育てながら物語にぐっと引き込めます。

小さな手ぶくろの中で広がる“ぬくもりの世界”

やがて、たくさんの動物たちでいっぱいになったてぶくろ。
そこに最後にやってきたのは、大きなくま。
さすがに入りきれないかと思いきや……なんと、みんなで力を合わせて場所を作ってあげます。

「狭いけど、みんなで一緒ならあったかい」——
その一言が、この絵本全体を通して伝えたいメッセージ。
そして、物語の最後はおじいさんがてぶくろを見つけ、静かに雪の森に平和が戻ります。

対象年齢と読み聞かせのポイント

3歳ごろから楽しめる!繰り返しがわかりやすい構成

『てぶくろ』は、リズムのある繰り返しの展開が特徴。
そのため、ストーリーを理解し始める3歳ごろから楽しめる絵本です。
2歳児でも、動物が増えていく様子や色鮮やかな絵で十分に興味を持つことができます。

年齢が上がるにつれ、「この動物はどこにいるのかな?」「なんで入れてあげたのかな?」といった会話も楽しめます。

☆私が働いていた保育園では2歳児クラスの冬頃には読み聞かせしていましたよ。

動物のセリフをリズミカルに読むと盛り上がる

読み聞かせでは、登場動物の声を変えるのがポイント。
たとえば、小さなねずみは「ちいさな声で」、大きなくまは「どっしりと太い声で」。
動物ごとに声色を変えることで、子どもたちはページをめくるたびにワクワクします。

「ぼくも入れて」「どうぞ」の掛け合いをテンポよく読めば、発表会の練習にもつながります。

ページごとに予想を立てながら読むと◎

「次はどんな動物がくるかな?」と声をかけると、子どもたちは想像力を膨らませます。
また、動物の名前や特徴を一緒に確認することで、自然に語彙を増やすこともできます。
寒い冬の日に、親子でぬくぬくしながら読むのにぴったりの一冊です。

『てぶくろ』が発表会・劇で人気の理由

登場動物が多く、配役しやすい

発表会の題材として人気が高い理由のひとつが、登場人物(=動物)の多さ。
ねずみ、かえる、うさぎ、きつね、いのしし、くま……と、さまざまな役を分担できるため、クラス全員で劇を作るのに最適です。
セリフも短く、繰り返しが多いため、小さい子どもでも覚えやすいのが魅力です。

☆幼稚園や保育園の園児の人数はバラバラですが、配役が多い分劇をするにはぴったりのお話になっていますよ。
ちなみに私が働いていた保育園では、1つの園では2歳児クラスが、もう1つの園では3歳児クラスが発表会の演目としてやっていました。子ども達の姿に合わせて取り入れるにはいいのと、子ども達もイメージしやすいのがいいですよね。

衣装や小道具も工夫しやすく、かわいい演出ができる

動物の耳やしっぽをつけた衣装、フェルトで作る手ぶくろの小道具など、工夫次第でかわいらしい舞台に。
子どもたちが自分で「動物になりきる」ことで、発表会への意欲も高まります。
大きな布や段ボールで“てぶくろの家”を作るのもおすすめです。

「入れて」「どうぞ」のやりとりが子どもにぴったり

お話の軸になる“やりとり”が、発表会でのセリフ練習にぴったり。
「ぼくも入れて」「どうぞ」と声を合わせるシーンは、緊張しやすい子どもでも参加しやすく、自然に笑顔が生まれます。
また、友だちを受け入れる優しい気持ちを学ぶきっかけにもなります。

まとめ|『てぶくろ』は“ぬくもり”を感じる冬の定番絵本

世代を超えて愛される理由

『てぶくろ』は、何十年も読み継がれてきた不朽の名作。
派手な展開ではないけれど、心の中にじんわり残る“ぬくもり”が魅力です。
シンプルな繰り返しの中に、思いやりや助け合いの大切さが詰まっています。

お話会や発表会でも活躍する名作

家庭の読み聞かせはもちろん、園での発表会にも活用しやすい作品。
季節の行事「冬」「雪」「動物」との関連も強く、12月〜2月の行事シーズンに特におすすめです。
寒い冬の日に『てぶくろ』を開けば、子どもたちの心の中に、ぽっとあたたかい灯がともることでしょう。

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