「せなけいこさんの絵本といえば?」と聞くと、
多くの方が思い浮かべるのが『おばけのてんぷら』ではないでしょうか。
怖すぎないおばけ、思わず笑ってしまう展開、そして子どもたちが大好きな“食べもの”。
『おばけのてんぷら』は、笑いと安心感がちょうどよく詰まった名作絵本です。
この記事では、絵本『おばけのてんぷら』の
あらすじ・対象年齢・人気の理由・読み聞かせのコツ・保育での活用方法まで、
実際の現場でも役立つ視点で詳しく紹介します。
絵本『おばけのてんぷら』とは?
おばけのてんぷら (絵本のひろば 29) [ せな けいこ ]
作者・せなけいこさんについて
『おばけのてんぷら』の作者は、絵本作家のせなけいこさん。
「ねないこだれだ」「おばけのてんぷら」など、
子どもたちの心をつかむ作品を数多く生み出してきました。
せなけいこさんの絵本は、
- 少し不思議
- ちょっとこわいけれど、最後は安心
という絶妙なバランスが特徴です。
「ねないこだれだ」シリーズの中での位置づけ
『おばけのてんぷら』は、いわゆる“おばけシリーズ”の一冊。
同じおばけが登場しますが、物語は独立しているため、
シリーズを知らなくても十分楽しめる作品です。
ねないこ だれだ (福音館あかちゃんの絵本) [ せなけいこ ]
☆「ねないこだれだ」も保育園でよく読んでいました!保育園では乳児クラスからせなけいこさんのおばけシリーズは人気で、よく見ていましたよ!
こんなお話|『おばけてんぷら』のあらすじ

うさこがてんぷらを作っていると…?
物語の主人公は、うさぎの「うさこ」。
ある日、うさこは台所でてんぷらを作り始めます。
野菜を切って、衣をつけて、油に入れて…
すると、知らないうちにおばけがこっそりやってきて、
てんぷらを次々に食べてしまいます。
思わずクスッと笑ってしまう展開
うさこは、おばけがいることにまったく気づきません。
そして最後には、「えっ、そんなものまで!?」という
思わず笑ってしまうオチが待っています。
怖さよりもユーモアが勝つ展開なので、
子どもたちは安心して楽しめます。
☆ストーリーを理解している子ども達に向けて読み聞かせをすると読んでいる途中で反応してくれるので、それも微笑ましいですよ!私も新卒の頃にこの絵本を読んで、はじめ衝撃を受けたのを覚えています。(笑)
対象年齢は?何歳から楽しめる絵本?

3歳・4歳頃におすすめな理由
『おばけのてんぷら』の対象年齢は、3歳〜5歳頃が目安です。
理由は、
- ストーリーが少し長め
- 「気づく」「予想する」楽しさがある
といった点にあります。
3〜4歳頃になると、
「もしかして、おばけがいるんじゃない?」
と気づきながら聞けるようになります。
5歳以上で広がる楽しみ方・理解の深まり
5歳頃になると、
- オチを理解して笑える
- うさこの行動を客観的に見られる
など、より深く物語を楽しめるようになります。
「なんで気づかなかったのかな?」と
会話が広がるのも、この年齢ならではです。
☆幼児クラスになると理解してきて展開も楽しんでくれます。2歳児クラスでも下半期になってくると少しずつ理解してくるので、秋冬くらいから読み始めるのはおすすめです!
『おばけのてんぷら』が子どもに人気の理由

身近な「料理×おばけ」の組み合わせ
てんぷら、台所、料理…。
子どもにとって身近な世界に、
おばけという非日常が入り込むことで、
ワクワク感が一気に高まります。
怖くないおばけで安心して楽しめる
せなけいこさんのおばけは、
怖すぎず、どこか間の抜けた存在。
「おばけ=怖い」というイメージが苦手な子でも、
安心して楽しめるのが魅力です。
オチが分かりやすく、繰り返し読みたくなる
最後のオチはとても分かりやすく、
一度読んだ子どもは「もう一回!」と
繰り返し読みたがることが多いです。
読み聞かせにおすすめのポイント

間の取り方で面白さが倍増する
『おばけのてんぷら』は、
少し間をあけて読むのがおすすめ。
- おばけが食べている場面
- うさこが気づかない場面
で、あえて間を取ると、
子どもたちの期待感が高まります。
子どもの「気づき」を引き出す声かけ
途中で、
「どうなってると思う?」
「何か変じゃない?」
と声をかけると、子どもたちの反応が広がります。
正解を求めず、
気づいたことをそのまま受け止めるのがポイントです。
保育園・家庭での活用シーン

保育園での読み聞かせ・導入におすすめ
3〜5歳児クラスでの読み聞かせに特におすすめ。
食育やごっこ遊びの導入としても使いやすい絵本です。
「てんぷら」「料理」などのテーマと結びつけやすく、
活動への展開もしやすい一冊です。
食育やごっこ遊びへのつなげ方
読み聞かせの後に、
- てんぷらごっこ
- 台所あそび
- 食べものクイズ
などにつなげると、子どもたちの世界が広がります。
家庭では、
「今日のごはん、てんぷらだね」
と日常と絵本を結びつけるのもおすすめです。
まとめ|『おばけてんぷら』は笑いが広がる名作絵本
『おばけのてんぷら』は、
怖さよりも楽しさが勝る、
子どもにちょうどいい“おばけ絵本”です。
- 3歳頃から楽しめる
- 笑いと気づきがある
- 保育園・家庭どちらでも使いやすい
読み聞かせを通して、
子どもたちの笑顔と会話が自然に広がる一冊。
ぜひ、日々の読み聞かせに取り入れてみてください。
おばけのてんぷら (絵本のひろば 29) [ せな けいこ ]

コメント