「読んだ後の絵本、つい床に置きっぱなしになってしまう…」
「お気に入りの絵本はすぐに出せる場所に置きたいけど、どう収納したらいいのかわからない」
保育士として、そして子育て中の親として、多くの家庭で耳にする“絵本収納”の悩み。
おしゃれで便利な収納アイデアはたくさんありますが、大切なのは「子どもが自分で出し入れできる仕組み」をつくることです。
この記事では、絵本収納のつまづきポイントから、年齢別の実践的な収納アイデア、読書習慣や片付けの習慣につながる工夫まで、
保育の視点を交えてご紹介します。
絵本収納がうまくいかない理由は?

絵本の「数」と「形」の難しさ
絵本って、気づけばどんどん増えていきますよね。
図書館の貸し出しやお祝いの贈り物など、思い出が詰まった絵本は捨てるに捨てられず、いつの間にか収納棚からはみ出してしまう…という声も多く聞きます。
また、絵本は一般的な本と違ってサイズがバラバラ。
縦長・横長・厚め・ペラペラ…本棚に「ぴったり収まらない」ことが、収納のストレスの原因になっていることも少なくありません。
子ども目線と大人目線のズレとは?
「きちんと並べておいたのに、数分後にはぐちゃぐちゃ…」
大人にとっての「きれいに収納」と、子どもにとっての「使いやすい収納」は、実は違います。
特に未就学児は、表紙が見えていると選びやすく、背表紙だとわかりにくいという傾向があります。
そのため、子どもにとっての“絵本コーナー”は、「見えている・手が届く・出しやすい・戻しやすい」がポイントになります。
家庭で使える絵本収納アイデア10選

100均や無印良品でできる簡単DIY
- セリアやダイソーのファイルボックス:絵本を立てて収納でき、持ち運びもラク。
- 無印のやわらかポリエチレンケース:角が丸く、落としても安全。0〜2歳にもおすすめ。
- 突っ張り棒+カゴで棚を増設:スペースが限られる場所に活用でき、成長に応じて調整可能。
DIYが得意な方は、カラーボックスを横に倒して絵本ラック風にしたり、すのこでミニ棚を作るのも人気です。
IKEA・ニトリの活用術(絵本ラック・ボックス収納など)
- 【IKEA】のFLISAT 絵本棚は、表紙が見えるデザインで未就学児に大人気。
- 【ニトリ】のNカラボシリーズも、カスタマイズ性が高く、収納力◎。
- 引き出し型ボックスやキャスター付き収納を取り入れると、子どもが自分で動かせるのも嬉しいポイントです。
北欧家具特有の「見せる収納+実用性」は、保育園でも取り入れている園が増えています。
スペースがない家庭向けのスリム収納アイデア
- ベッド下・ソファ横のすき間収納:ローラー付きのトレイにまとめて収納すれば、掃除もラク。
- 壁面を活かしたウォールポケット収納:よく読む本だけを数冊限定して収納し、ローテーション。
- マガジンラックタイプの壁掛け収納:スペースを取らず、表紙も見せられるので選びやすい。
どれも「省スペース+見やすさ+安全性」を兼ね備えた工夫で、子どもが自分で管理しやすくなります。
年齢別!絵本収納の工夫ポイント

引用:https://tshop.r10s.jp/tansu/cabinet/baby1/baby4/30500011_10.jpg?fitin=720%3A720
0〜2歳児は「取り出しやすさ」がカギ
この時期の子どもたちは「引っ張る・投げる・積む」など、絵本そのものも遊びの一部。
収納には、安全性と感触の良さが求められます。
- 角が丸い布製バスケットや、低めの棚を使う
- 収納は「しまう」よりも「入れておく」感覚でOK
- 大きめの絵本は立てるよりも平置きが◎
自由に出し入れできることで、絵本への興味がぐっと高まります。
3〜5歳児には「自分で片付けられる」導線を
少しずつ生活習慣が身についてくる時期。
このタイミングで「片付け=気持ちがいい」と実感できるような仕掛けを作っておくと、後がラクです。
- 絵本棚にジャンルごとのラベル(例:動物・のりもの・おばけ)を貼る
- 棚の下に読書マットやクッションを置くことで、「ここで読む」「読んだら戻す」が自然に
- 「絵本屋さんごっこ」など遊び感覚で片付けを習慣化
子どもが「自分で選ぶ・決める・戻す」体験を繰り返すことで、自己管理力も育ちます。
小学生以降はジャンル分け収納が◎
読書の幅が広がり、シリーズ物や図鑑、児童書などが増えてくる小学生世代。
本の「居場所」を明確にすると、本棚も頭の中もすっきりします。
- ジャンル・シリーズ・著者別にラベリング収納
- 読み終わった本・読んでいる途中の本を分けるスペースを作る
- 「もう読まない本」は寄贈・リサイクルの仕組みを一緒に考えるのも◎
本を収納することは、読書の終わりではなく「また読む楽しみ」の準備。
だからこそ、わかりやすく・整理しやすい仕組みが大切です。
絵本収納で育つ“片付け習慣”と“読書習慣”

「しまう場所」が決まると読書の習慣も変わる
毎日使う絵本だからこそ、「どこにあるかすぐわかる」「どこに戻すか決まっている」というルールがあるだけで、子どもたちは安心して絵本を楽しむようになります。
逆に、収納がごちゃごちゃしていると「どこに置いたかわからない」「読む前に疲れる」…となり、結果的に絵本離れにつながることも。
読書習慣=収納環境がつくるといっても、決して大げさではありません。
親子で一緒に整える時間が学びになる
収納の見直しは、親子のコミュニケーションのチャンスでもあります。
- 「この絵本はどこに置きたい?」
- 「最近読んでない絵本、誰かにあげようか?」
- 「季節ごとに並べ替えてみようか」
子どもと一緒に考えることで、自分の持ち物を大切にする気持ちや、整理整頓の意識が自然と育まれます。
まとめ|収納を見直すことで、絵本との関わりがぐっと身近に
絵本収納は、ただの「片付け」ではありません。
それは子どもが絵本に触れる「環境づくり」であり、読書のきっかけを増やすための仕掛けでもあります。
- 子ども目線で取り出しやすく・戻しやすく
- 成長に応じて収納のスタイルを変えていく
- 親子で一緒に考え、整えていく時間も大切に
ほんの少しの工夫で、絵本との時間がぐっと豊かになります。
絵本が整うと、子どもの心も整う――。そんな毎日を、あなたのご家庭にも。
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