「1歳児におすすめの絵本って、どんなものを選べばいいの?」
保護者や保育士の皆さんから、よく寄せられる質問のひとつです。
この年齢の子どもたちは、ことばや感情の発達が著しい時期。絵本はその成長を優しく支え、心と体の育ちを深めてくれる大切なツールです。
この記事では、保育園での経験や読み聞かせの実感をもとに、1歳児クラスにぴったりな絵本5選をご紹介します。おうちや保育の時間にぜひ取り入れてみてください。
1〜2歳の子どもに絵本が大切な理由

ことばの理解が進み“意味のあるやりとり”が増える時期
1歳を過ぎると、「わんわん」「バイバイ」など、身近なことばを理解したり、まねしたりする姿が増えてきます。絵本の中のことばや音を通じて、語彙の広がりや表現の芽生えが育まれます。
また、「これはなに?」「どこにいる?」といったやりとりができるようになるのもこの頃。絵本はそのやりとりのきっかけにもなります。
生活の流れや身近なテーマに共感しやすい
「たべる」「ねる」「おふろ」など、日々の生活習慣をテーマにした絵本は、1歳児にとって非常に身近で分かりやすいもの。
「ぼくも!」「これした!」と、絵本の内容と自分の経験を重ねて楽しむことができます。
保育園でも絵本を通じた育ちが進んでいる
保育園では、朝の会やお昼寝前など、日常の流れに合わせて絵本を取り入れることで、子どもたちの心を落ち着かせたり、気持ちの切り替えを助けたりしています。
家庭でも、絵本があることで安心できる時間や親子のふれあいが自然と生まれます。
1歳児クラスにおすすめの絵本5選【1〜2歳にちょうどいい】
ここでは、実際に保育園や家庭でも「何度も読みたがる」「真似して遊ぶ」など、1歳児からの反応がよかった絵本を厳選してご紹介します。
①『きゅうりさんととまとさんとたまごさん』(松谷みよ子/童心社)

引用:https://m.media-amazon.com/images/I/717Rvo3j-vL._SY342_.jpg
野菜とたまごたちが、「トントントン」「ぴょーん!」と楽しい動きを見せながら物語が進む一冊。
声に出して読むとリズミカルで、子どもたちはページをめくるたびに大笑い!
ユーモアあふれる表情と展開で、「また読んで!」が止まらない絵本です。
食べ物が主役なので、食育や会話のきっかけにも◎。
②『どうぶついろいろかくれんぼ』(いしかわこうじ/ポプラ社)

引用:https://m.media-amazon.com/images/I/71M3rgQAjUL._SY342_.jpg
型抜きページから動物が少しずつ姿を見せ、「だれかな?」と当てっこするしかけ絵本。
1歳児は、形と色、そして動物の名前を楽しみながら自然に覚えていきます。
視覚的にもわかりやすく、厚紙なので1人読みの導入にもぴったり。何度読んでも飽きない魅力があります。
子どもがすごい静かに見ているなぁと思って覗いてみると、この絵本だったという経験が何度もありましたよ。
③『ノンタン おやすみなさい』(キヨノサチコ/偕成社)

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「もっとあそびたい!」という気持ちと、「でももう寝なきゃ」という日常の葛藤を、ノンタンが可愛く描いてくれる名作。
1歳後半〜2歳ごろ、生活リズムを整えたい時期にぴったりの1冊です。
夜のおやすみ前に読むと、「ノンタンも寝るんだね」と安心して布団に入れるようになったという声も多数。
子どもの中で『ノンタン寝る=自分も寝る』と思っていた子もちらほら。中にはこの絵本を布団に持っていこうとする子もいました。(笑)
④『くだもの』(平山和子/福音館書店)

引用:https://m.media-amazon.com/images/I/91t73QVVzoL._SY342_.jpg
リアルに描かれた果物が「はい、どうぞ」と差し出される構成で、“どうぞ”“ありがとう”のやりとりが自然に生まれる絵本。
まるで本物のような果物の絵に、1歳児は目を丸くしてじっと見つめます。
読んでいると手を伸ばしてくる子も多く、「食べるまねっこ」をしながら会話が広がります。
この本は私自身も大好きで。(笑)
子どもたちと一緒に読んでいると何も言わずに指でとる真似をして口まで運んでくれる子が多かったです。きっと読み聞かせで普段保育士のしている姿を覚えていたのかなと微笑ましくなったのもいい思い出ですね。
また、給食やおやつ前に読んで「今日のデザートと一緒だね!」と食育に繋げられるのもあって重宝出来る絵本です。
⑤『バナナさんがね…』(とよたかずひこ/童心社)

引用:https://m.media-amazon.com/images/I/71xMnM+t7tL._SY342_.jpg
「バナナさんがね、すべったの!」という展開に、子どもたちは思わずクスッと笑って反応。
繰り返しの中に意外な動きがあって、読み聞かせにぴったりのテンポ感です。
食べ物+動き+擬音語という、1歳児の「大好き」が詰まった1冊です。
個人的には、とよたかずひこさんの絵本シリーズが大好きです!
ストーリー自体はこの絵本の紹介通りクスっと笑えるのですが、イラストにもあたたかみを感じます。
乳児クラスの食育にぴったり!と言えるので、自分でもいまだに何冊も絵本を持っています。
1歳児の絵本選びで大切にしたいポイント

「知っている」「やったことある」体験とつながる内容
この時期の子どもたちは、「身近な体験」や「生活の中の発見」に強く反応します。
登場するものが見たことある・食べたことある・やったことあると感じられる絵本を選ぶと、より夢中になってくれます。
子どもたちの経験とリンクさせる事で、保育士や友達との共有や共感を得られるも多いですよ。
参加型(「どうぞ」「どこかな?」など)で集中力UP
1歳児はまだ長いお話を聞くのは難しいですが、「どうぞ」「どこにいる?」などのやりとり型の絵本にはよく反応します。実際に私が担任をしていた頃も「どこかな~?」と声をかけてみると、積極的に教えてくれる子や指差しをする子、分かってはいるんだけど恥ずかしくなってしまう子など絵本を通しても一人ひとりの個性を感じとる事が出来ました。
一方的に読むのではなく、「○○ちゃんもどうぞしてみて!」「これはなにかな?」と声かけを交えて読むと、集中力が続きやすくなります。
丈夫で扱いやすいサイズ・紙質も重要
1歳児は絵本を自分でめくったり、なめたり、投げたりしてしまうことも。
月齢によっては読むことよりも破いてしまう楽しさを発見してしまう子もいるので、ボードブック仕様で丈夫なつくりの絵本を選ぶと安心です。サイズ感も、小さな手でも持てる大きさが◎。
ただ、親子で一緒に読んだり保育士が子ども達の読み聞かせで読む場合には通常の紙質でも特に問題はありません。
まとめ|子どもたちの“楽しい”が詰まった絵本で心を育てよう
毎日の読み聞かせが、言葉・心・関係性を育てる
絵本は、言葉の発達だけでなく、感情や社会性、集中力を育てる大切なツールです。
たとえ短い時間でも、毎日少しずつ読むことで、子どもとの心のやりとりが豊かになります。
お気に入りの1冊を一緒に見つけて、親子の時間をもっと豊かに
「これ読んで!」と自分で絵本を持ってくる姿は、成長の証。
今回ご紹介したおすすめ絵本5冊の中に、親子の宝物になる1冊がきっと見つかるはずです。
ぜひ今日から、1冊の絵本で、1歳児との毎日に笑顔を増やしてみてください。
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