『やさいさん』絵本ってどんなお話?

絵本のあらすじと特徴
「やさいさん」(作者:tupera tupera/学研教育出版)は、子どもたちに大人気の仕掛け絵本です。ページをめくると、「やさいさん やさいさん」「だあれ」と問いかけがあり、大きなページを上下に開くと土の中から野菜がどーんと登場します。
登場するのは大根やにんじん、じゃがいもなど、子どもにとって身近な野菜ばかり。大きな野菜が現れるインパクトと、繰り返しのリズムが楽しく、読み進めるごとに「次は何かな?」というワクワク感を味わえる構成になっています。
作者・出版社情報と出版背景
作者のtupera tupera(ツペラ ツペラ)は、日本を代表する人気絵本作家ユニット。ユニークで大胆な色づかいと仕掛けが特徴で、子どもたちの好奇心をぐっと引き出します。『やさいさん』もその代表作のひとつで、保育園や幼稚園でも定番絵本として広く読み継がれています。
『やさいさん』絵本の魅力

ダイナミックな仕掛けで子どもを惹きつける
『やさいさん』の最大の魅力は、大きく広がるページの仕掛けです。通常の絵本よりも迫力ある展開で、野菜が土から「すっぽーん!」と抜ける感覚を体験できるのが特徴。
子どもは仕掛けをめくる瞬間に大きな期待を抱き、毎回「どんな野菜かな?」と夢中になります。この驚きと楽しさが、絵本の世界に自然と引き込んでくれるのです。
野菜への興味や食育につながるポイント
小さな子どもにとって野菜は「食べ物」であると同時に、「よく知らない存在」でもあります。『やさいさん』を読むことで、野菜が土の中で育つ様子や形に興味を持つきっかけになります。
「これがにんじんだよ」「給食にも出てきたね」と実際の食事や生活と結びつければ、食育にもつながります。食べるのが苦手な野菜でも、絵本を通して親しみを持つことで、口にしやすくなる子も少なくありません。
言葉のリズムが楽しく、繰り返し読みたくなる
「やさいさん やさいさん」「だあれ?」というシンプルなフレーズの繰り返しが、子どもたちにとって心地よいリズムを生みます。まだ言葉を覚えたての子どもでも、声に出して真似したくなる表現で、親子で一緒に楽しめるのが魅力です。
『やさいさん』を楽しめる対象年齢と場面

0~2歳児:初めての絵本体験におすすめ
赤ちゃんや低年齢の子どもは、まだストーリーを理解するのは難しいですが、仕掛けの大きな動きやリズムのある言葉に夢中になります。
0歳児には、大人がページをめくってあげるだけで十分な刺激になり、1~2歳児になると「だあれ?」の問いかけに「にんじん!」と答える姿が見られるようになります。初めての絵本体験にもおすすめの一冊です。
3~4歳児:野菜に親しむ食育の一環として
言葉の理解が進み、食べ物や自然に興味を持ち始める3~4歳児には、食育のきっかけとしても活用できます。
「この野菜、どこで見たことある?」「給食に出たね」と話を広げたり、スーパーで一緒に探してみたりすると、生活とつながりが生まれます。絵本の楽しみから、実際の食体験へと自然にステップアップできるのです。
保育園・幼稚園での読み聞かせにぴったりな理由
保育園や幼稚園では、集団での読み聞かせにも向いています。大きな仕掛けは子どもたち全員の視線を惹きつけ、次に出てくる野菜を予想して盛り上がることができます。
また、季節の活動とも相性がよく、春の「野菜を植える」行事や秋の「収穫祭」の導入絵本としてもおすすめ。年間を通して活用できるのも魅力です。
読み聞かせの工夫と親子での楽しみ方

ページをめくるタイミングを工夫する
仕掛けをめくる前に「なんのやさいかな?」と一呼吸置いてからページを開くと、子どもの期待感が高まります。子どもに当てさせる遊びを取り入れると、読み聞かせがさらに盛り上がります。
野菜の実物と一緒に楽しむアレンジ
読み聞かせの後に、実際の野菜を見せたり触ったりすると、絵本の世界が現実につながります。にんじんやじゃがいもを手に持たせて「本と同じだね」と確かめることで、子どもの学びがぐっと深まります。
家庭でも保育園でも、給食や食事の前に読むと「今日はこれ食べられるかな?」という期待感を持たせることもできます。
家庭・保育園での遊びや活動に広げるアイデア
絵本をきっかけに、野菜スタンプ遊びや紙での野菜製作に発展させるのもおすすめです。保育活動では、野菜をテーマにした壁面飾りやごっこ遊びにもつなげられます。
家庭では、親子で一緒にスーパーへ行って「やさいさん」に登場する野菜を探すのも楽しい体験になります。絵本を読むだけで終わらせず、生活とリンクさせることで子どもの関心が長続きします。
まとめ
『やさいさん』は、ダイナミックな仕掛けとリズミカルな言葉で子どもを惹きつける大人気絵本です。0歳から楽しめ、食育や保育活動にもつながる万能さが魅力。家庭でも園でも、読み聞かせに取り入れやすく、野菜への関心や親子のコミュニケーションを広げるきっかけになります。
「野菜をもっと身近に感じてほしい」「食育につながる絵本を探している」という親御さんや保育士さんに、ぜひおすすめしたい一冊です。
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