『カラスのパン屋さん』とは?

絵本『カラスのパン屋さん』は、1973年にかこさとし氏によって出版されたロングセラー作品です。親子二代にわたって読み継がれている名作で、今でも保育園や家庭の読み聞かせで人気があります。
舞台はカラスたちが暮らす森の中。そこに一軒のパン屋さんを営む家族が登場します。お父さんとお母さん、そして4羽の子どもたちが織りなす物語は、ユーモアと温かさにあふれ、子どもたちの想像力を大きく刺激します。
本記事では、あらすじの紹介や対象年齢、読み聞かせにおすすめの場面について詳しく解説していきます。保育園や幼稚園での読み聞かせを考えている先生方や、家庭での親子時間を楽しみたい保護者の方に役立つ内容になっています。
『カラスのパン屋さん』のあらすじ

森のパン屋のにぎやかな日常
物語の主人公は、森に住むカラスのパン屋一家。お父さんとお母さんは毎日せっせとパンを作り、子どもたちと協力しながらお店を営んでいます。
しかし、子どもたちはまだ小さく、仕事を手伝うつもりが失敗してしまうことも。パンの材料をこぼしたり、焼き上がったパンを遊び半分で並べたりと、店は毎日大騒ぎです。
失敗から生まれるユニークなパン
子どもたちの失敗や遊び心が、思わぬ形でユニークなパンを生み出します。動物の形をしたパンや、思わず笑ってしまうような奇抜なデザインのパンが並び、森の仲間たちは大喜び。
「こんなパンもあったらいいな」という子どもの自由な発想が、物語全体を彩る大きな魅力となっています。
結構絵本を読み聞かせしていると子ども達も「失敗してもこうやって笑える!」と笑顔になっている表情がよく見えますよ。
森のみんなに愛されるお店へ
最初はドタバタ続きだったパン屋さんですが、やがてその個性的なパンたちが評判を呼び、森中の動物たちが訪れる大人気店に成長していきます。
最後には「失敗が成功につながる」温かいメッセージが込められ、子どもたちにもポジティブな気持ちを与えてくれる物語となっています。
対象年齢は?

『カラスのパン屋さん』は、4歳頃から小学校低学年(7〜8歳)までを対象におすすめできる絵本です。
- 4〜5歳児(年中・年長)
繰り返しの展開やパンの面白い形を楽しみながら聞ける時期。視覚的な楽しさが理解できるので、読み聞かせに最適です。 - 小学校低学年
お話の流れをしっかり追えるようになり、「失敗も大事」というメッセージを受け取れる年齢。自分で読む「読み物」としても楽しめます。
長く楽しめる一冊なので、兄弟姉妹で年齢を超えて一緒に読めるのも魅力です。
☆個人的には3歳児クラスから読んでも大丈夫かなと。あとは親子で読み聞かせをしてから、パン屋さんへお買い物に行ってみました!という保護者の方からの声もいただいた事がありました!
読み聞かせにおすすめの場面

保育園や幼稚園の読み聞かせ時間に
保育園や幼稚園の「お話の時間」にぴったりの絵本です。子どもたちはパンのユニークな形に大笑いしながら聞いてくれるでしょう。
特にお昼前やおやつ前に読むと、パンのイメージが膨らんで楽しさも倍増します。
親子での食育にも
パン作りや食べる楽しさを描いているため、食育の一環として家庭で読むのもおすすめです。読み終わった後に「どんなパンを食べたい?」「一緒に作ってみようか」と話を広げると、親子の会話が自然に弾みます。
お誕生日会やイベントに
物語の中で出てくるパンは、子どもたちの創造力をくすぐります。お誕生日会やイベントで読んだ後に、紙や粘土で「自分だけのパン」を作る製作活動につなげることも可能です。
絵本から学べるメッセージ

『カラスのパン屋さん』は、ただ楽しいだけでなく、大切なメッセージも込められています。
- 失敗は新しいアイデアのもとになる
子どもたちの失敗がきっかけで、新しいパンが生まれます。挑戦することの大切さを自然に学べます。 - 家族で協力することの大切さ
家族全員でお店を盛り立てていく姿は、子どもに「みんなで力を合わせる」意識を伝えてくれます。 - 多様性を楽しむ心
形も大きさもバラバラのパンが集まって、みんなを笑顔にする。「違いを楽しむ」姿勢も育めるのです。
保育や家庭での活用アイデア

パンをテーマにした製作活動
絵本を読んだ後に、折り紙や紙粘土でパン作りを体験してみましょう。年齢に合わせて難易度を変えられるため、保育現場でも導入しやすい活動です。
☆年齢によっては紙粘土が乾いてから色付けをしたり、ニスを塗ってより本格的なパン作りをしても楽しいですよ!
パン屋さんごっこ
絵本を読んだ後に、子どもたちと「パン屋さんごっこ」をするのも楽しい遊びになります。自分たちでパンを並べて、店員とお客さんになってやりとりをすることで、言葉のやりとりや社会性を育むことができます。
☆上記で作ったパンを異年齢保育や園内行事としてパン屋さんにしてみるのもアイディアの一つですね!
食育へのつなげ方
「パンはどうやって作るの?」という疑問に答える機会にもなります。家庭では実際にパン作りに挑戦してみたり、保育園ではパン屋さん見学を企画したりするのも良いでしょう。
☆パン屋さん見学は地域交流のきっかけにもなりますので、近隣のパン屋さんを探してみたり近くまでお散歩に行ってみるのも楽しいですよ!
まとめ
『カラスのパン屋さん』は、ユーモアあふれるストーリーと温かいメッセージが魅力の絵本です。対象年齢は4歳から小学校低学年まで幅広く、家庭や保育園での読み聞かせに最適。
パンのユニークな描写を通して、子どもたちは想像力を膨らませ、同時に「失敗を恐れないこと」や「家族で協力すること」の大切さを学べます。
保育士さんにとっては、読み聞かせや製作活動、食育への発展に活用できる便利な一冊。親御さんにとっては、親子での会話や体験を広げられる心強いパートナーとなるでしょう。
読み聞かせの時間に『カラスのパンやさん』を取り入れて、子どもたちと一緒にパンの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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