なぜ0歳からの読み聞かせが大切なのか

0歳と聞くと「まだ言葉も理解できないのでは?」と感じる方も多いかもしれません。しかし、実はこの時期の赤ちゃんは耳からの刺激を敏感に感じ取り、読み聞かせによってたくさんの良い影響を受けています。ここでは、赤ちゃんの成長にどのような効果があるのかを具体的に見ていきましょう。
赤ちゃんの脳と心に与える読み聞かせの効果
赤ちゃんの脳は生まれてから急速に発達していきます。読み聞かせによって、言語や感情に関する脳の領域が刺激されることが、近年の研究でも明らかになっています。まだ言葉を話せなくても、絵本の「語りかけ」は、音の高低・抑揚・リズムを通して脳に働きかけるため、将来の言語発達や集中力の土台をつくるのに役立ちます。
さらに、物語の登場人物や感情の動きを聞くことで、他者への共感力や情緒の安定にもつながると言われています。まさに「心を育てる」第一歩が、0歳からの読み聞かせなのです。
親子の絆を深めるコミュニケーションの時間
読み聞かせは、赤ちゃんにとって「ママやパパの声を近くで聞ける幸せな時間」です。赤ちゃんは、表情・声・ぬくもりといった五感で安心感を得ることで、親との信頼関係を深めていきます。
また、絵本を読みながら赤ちゃんが笑ったり反応を見せたりすると、親の側も自然と笑顔に。こうした双方向のコミュニケーションが、育児のやさしいひとときとなり、育児ストレスの緩和にもつながります。
ことばの基礎を育む「音」と「リズム」の力
0歳児は、まだ言葉の意味を理解していないように見えても、音やリズムにはしっかり反応しています。特に、「くり返し」「擬音語」「短いフレーズ」などが多く含まれた絵本は、赤ちゃんにとって聞き取りやすく、楽しさを感じやすい構成です。
「ぽんぽん」「にこにこ」「くっついた」などのリズム感ある語りは、赤ちゃんの耳に心地よく響き、ことばの土台を自然に育みます。また、こうした音をまねし始めることで、発語の準備にもつながっていきます。
ことばの基礎を育む「音」と「リズム」の力
0歳児は、まだ言葉の意味を理解していないように見えても、音やリズムにはしっかり反応しています。特に、「くり返し」「擬音語」「短いフレーズ」などが多く含まれた絵本は、赤ちゃんにとって聞き取りやすく、楽しさを感じやすい構成です。
「ぽんぽん」「にこにこ」「くっついた」などのリズム感ある語りは、赤ちゃんの耳に心地よく響き、ことばの土台を自然に育みます。また、こうした音をまねし始めることで、発語の準備にもつながっていきます。
0歳児に向いている絵本の特徴とは?

0歳児向けの絵本を選ぶ際は、大人の好みや絵の美しさだけでなく、「赤ちゃんがどんなものに反応するか」「どんな体験ができるか」を意識することが大切です。この時期の子どもにぴったりな絵本には、いくつか共通した特徴があります。以下で詳しく解説します。
視覚・聴覚にやさしい絵本の条件
0歳の赤ちゃんは、まだ視力や色の識別力が未発達な状態です。そのため、コントラストのはっきりした配色(例:黒×白、赤×白)や、大きくシンプルなイラストが描かれた絵本は、視覚的に認識しやすくおすすめです。
また、文章も短くリズム感のあるものが効果的。大人にとっては単純に感じる絵本でも、赤ちゃんにはちょうどよい刺激となり、集中して見たり聞いたりすることができます。
繰り返しのあるシンプルなストーリーが良い理由
0歳児は、同じ言葉や場面が繰り返されることが大好きです。「いないいないばあ」や「ぽんぽんぽん」といった絵本に繰り返しが多く使われているのはそのためです。
繰り返し表現は、赤ちゃんに安心感を与え、次の展開を予想してワクワクする力を育てます。さらに、同じ絵本を何度も読むことで、記憶力やことばの理解が自然と育っていくという利点もあります。
赤ちゃんが思わず手を伸ばす!触って楽しめる絵本
0歳児は「見て・聞いて・触れて」学ぶ時期です。そのため、布絵本やしかけ絵本など、触覚を刺激するタイプの絵本も非常におすすめです。ざらざら・ふわふわ・カシャカシャといった素材の違いに触れることで、五感の発達や好奇心を育てる体験につながります。
また、赤ちゃんが自分でページをめくろうとする仕草も大切な成長のサインです。厚手でめくりやすい絵本や角が丸く加工されている安全な仕様の絵本を選ぶと、親子ともに安心して楽しめます。
保育園でも人気!0歳児におすすめの読み聞かせ絵本5選
保育園で長年愛されている絵本には、0歳児の発達にぴったりの要素がたくさん詰まっています。ここでは、現場でも人気が高く、家庭でも読み聞かせに取り入れやすい絵本を5冊ご紹介します。初めての絵本選びに迷ったときは、まずここから始めてみましょう。
音やリズムが楽しい!「だるまさん」シリーズ
(作:かがくい ひろし/ブロンズ新社)

引用:https://m.media-amazon.com/images/I/71mbWYMGonL._SY342_.jpg
「だ・る・ま・さ・ん・が…」と、テンポよくリズミカルに進むシリーズは、0歳児が自然と笑顔になる一冊です。特に『だるまさんが』『だるまさんの』『だるまさんと』の3冊はセットで読むと、ことばのリズムや身体の動きを楽しく覚えられるのが魅力。保育園でも朝の読み聞かせやふれあい遊びの導入にぴったりの人気絵本です。
スキンシップも楽しめる「いないいないばあ」
(作:松谷みよ子/絵:瀬川康男/童心社)

引用:https://m.media-amazon.com/images/I/81WzhCn0qqL._SY342_.jpg
50年以上読み継がれているロングセラー。動物たちが「いないいない…ばあ!」と登場するシンプルな展開ながら、赤ちゃんが喜ぶ驚きと安心が詰まっています。読みながら実際に「いないいないばあ」をしてあげることで、赤ちゃんとのスキンシップが生まれ、親子の笑顔が広がる絵本です。
色彩と形で刺激する「しましまぐるぐる」
(作・絵:かしわら あきお/学研)

引用:https://m.media-amazon.com/images/I/61ywhUcPvKL._SY342_.jpg
赤・黒・白をベースにした色彩と、しましま模様やぐるぐる模様といった視覚刺激の強いパターンが魅力の一冊。まだ視力が未発達な0歳児でも見やすく、ページをめくるたびに夢中になる姿が見られます。厚紙仕様で破れにくく、はじめての「ひとり読み」にもおすすめの絵本です。
身近な生活に寄り添う「くっついた」
(作・絵:三浦太郎/こぐま社)

引用:https://m.media-amazon.com/images/I/51ZEenNlm+L._SY342_.jpg
お母さんと赤ちゃん、ゾウさんとゾウの子が「くっついた!」とスキンシップする様子を描いたやさしい絵本。読みながら、実際に「くっついた~!」と赤ちゃんとハグするのが定番の楽しみ方。シンプルながら愛情あふれる構成で、読み終えたあとの余韻も心地よい作品です。
五感で楽しむ「じゃあじゃあびりびり」 ほか
(作・絵:まついのりこ/偕成社)

引用:https://m.media-amazon.com/images/I/614Z0B5LUbL._SY342_.jpg
「じゃあじゃあ」「びりびり」「わんわん」といった擬音語オンパレードの絵本で、赤ちゃんの聴覚を心地よく刺激します。ページをめくるたびに異なる音や場面が展開し、言葉を覚える第一歩としても最適。コンパクトで丈夫なボードブックタイプなので、持ち運びにも便利です。
0歳児への読み聞かせを楽しむための工夫

0歳児への読み聞かせは、「教える」というよりも「一緒に楽しむ」ことが大切です。赤ちゃんの反応は日によって変わりますが、それも個性のひとつ。気負わず、日常のふれあいの中で心地よく絵本にふれる時間をつくることが、長く続けられるポイントです。ここでは、保育士や親御さんにぜひ試してほしい、読み聞かせの工夫を紹介します。
読むときの声のトーン・テンポのコツ
赤ちゃんは、内容よりも「声そのもの」に安心感を覚えます。そのため、ゆっくり・優しく・抑揚をつけて読むことがポイント。特に、「高すぎず低すぎず、少し高めのやわらかい声」が心地よく感じられるとされています。
また、擬音語やくり返しのフレーズは、ちょっと大げさに読むと喜ばれることも。登場人物のセリフや動作をまねするように読むことで、赤ちゃんの興味がグッと高まります。
読み聞かせはいつ?生活リズムに合わせた時間帯
0歳児の集中力はまだ短いため、読み聞かせの時間は数分程度で十分です。最適なタイミングは、次のような「落ち着いて過ごせる時間帯」です。
- お昼寝前や夜の寝かしつけ前のリラックスタイム
- 授乳やおむつ替えのあとなど、気持ちが安定している時間
- 朝の登園前に、親子でスキンシップを取りながらの読み聞かせ
日々の生活リズムに組み込むことで、赤ちゃんにとっても「絵本=安心できる時間」として定着していきます。
泣いたり飽きたりしても大丈夫!無理せず楽しむポイント
絵本の途中で泣き出したり、急にページをめくったりしても、それはごく自然な反応です。赤ちゃんにとって絵本は「聞くもの」だけでなく、「触って遊ぶもの」でもあります。
無理に最後まで読もうとせず、赤ちゃんの興味があるページだけでもOK。ページをめくるのに夢中なら、その動きを一緒に楽しんであげるのも立派な絵本体験です。大切なのは「絵本を通して笑顔になれたかどうか」。その積み重ねが、読書の楽しさを育てていきます。
まとめ|0歳からの絵本は心の土台づくり
0歳児への絵本の読み聞かせは、「まだ早い」と思われがちですが、実は赤ちゃんの心と脳に深く働きかける、かけがえのない時間です。言葉のリズムや音を楽しみ、スキンシップやまなざしを通して、親子の絆を育む ― それが絵本の持つ力です。
また、絵本選びや読み方に正解はありません。大切なのは、「うちの子はこれが好きそう」「今日はこのページを楽しんだ」など、目の前の赤ちゃんと一緒にその時間を楽しむこと。毎日の中でほんの数分でも、絵本を通じたふれあいの時間を持つことが、将来のことばや感性の土台を育ててくれます。
ぜひ、今日から「絵本のある育児」をはじめてみませんか?
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